節税と脱税のはざま
執筆者:税理士 川崎 浩 この資料全部お読みいただいて約40秒です。
 

 会社が苦労して獲得した利益には40%近くの税金が法人税としてかけられます。したがって、一般に会社は税法をよく研究して合法的に税負担を減らそうとします。これを「節税」と言います。これに対して意図的に売上や経費をごまかして利益を減らそうとする行為を「脱税」と言います。両者の中間には「節税」でもなく「脱税」でもないグレーゾーンもあります。専門的な言葉ですが、この部分を「租税回避」と言います。例えば、黒字会社と赤字会社が合併するとき、赤字会社を残し黒字会社を解散させると、赤字会社の赤字で税金の負担を減らすことができます。しかし、税務署は赤字会社を残す合理的な理由がない場合、この行為を認めません。このような行為が「租税回避」の一例です。「節税」や「租税回避」が認められるかどうかは、高度な専門的な判断や事前対策が必要です。現在の制度では、行為を行ってしまった後で「税金がかかるならその行為はやらなかった、取り消す。」、言っても認められません。生兵法は大怪我のもとです。素人判断の前に専門家である税理士を有効に利用したいものです。