衣料品業界で一人勝ちしている「ユニクロ」の経営者・柳井正氏は原理原則の経営を大切にする。氏が最も重視する「原則」の1つは公私の区別である。日経ビジネス最新号(2001年1月1日号)は氏の行動を側近である山口銀行元専務加藤信義の話として紹介している。
「柳井とともに取引先を寿司屋で招待したときのことだ。加藤と自分の自宅用に土産の折り詰めを作らせた柳井は、折り詰めの代金を食事代と別会計にして自分のポケットマネーで支払った。『大概の人はまとめて領収書をもらってしまうでしょう?』。加藤は柳井の潔癖さに頭が下がる思いだった。」
柳井氏は語る。「トップが公私の区別なく会社を利用すれば、部下も同じことをする。」と。企業には人・物・金・情報など様々な要素が必要です。中でも「人」に恵まれることが永続的な企業繁栄の必要条件です。「人」を引き付ける最も重要な決め手は経営者の姿勢です。それを実感するエピソードではないでしょうか。
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