整理解雇を行う場合の留意点 | |
執筆者:社会保険労務士 塚本英治 | この資料全部お読みいただいて約28秒です。 |
小泉内閣の痛みを伴う改革の影響であろうか、世の中リストラの嵐が吹き荒れています。大手電機・情報関連企業11社だけでも、7万7千人の人員削減が行われようとしています。長野県内の中小企業にも、製造業の海外シフト等による仕事の減少で、人員削減を余儀なくされている企業が出はじめております。 そこで、整理解雇の留意点について少し述べてみたいと思います。大手メ−カ−のように退職者を募集すれば、たちまち1.5倍もの応募があったり自然減で対処出来る場合は、別にして、中小企業では、少なからず問題が起きます。 整理解雇については、数々の裁判例が出されています。これらの裁判例では、整理解雇の適法性について厳しい要件が付されていますが、次の4つの要件を満たすことが必要とされています。 整理解雇の留意点 1.整理解雇の必要性。 会社が経営危機に陥り、会社の維持、存続を図るためには人員整理が必要であること。 2.整理解雇の努力 解雇に先立ち、退職者の募集、出向、配置転換その他余剰労働力吸収のために相当な努力が尽くされたこと。 3.人選の合理性 被解雇者選定のための解雇基準そのものが、合理的であり、かつ、その基準の運用も合理的であること。 不合理とはいえないとされた例として、退職しても生活に及ぼす影響の少ない家庭事情にある者、平素の勤務状態が劣悪である者、懲戒処分を受けたことのある者、会社の業績に貢献度の低い者などがありますが、その適用が客観的に妥当でなければ解雇は違法となることもあります。 いずれにしても、会社が頭を悩ますところです。 4.労働者側との協議 解雇の必要性、時期、規模、方法、解雇基準等について労働者側を納得させるために相当の努力がなされたこと。 |