−「労災かくし」は犯罪です− ご注意を
執筆者:社会保険労務士 塚本英治 この資料全部お読みいただいて約43秒です。

 3月に長野労働局から、表題のようなパンフレットが各事業所に配布されましたが、同時に長野県社会保険労務士会及び各労働保険事務組合等に「労災かくし」の排除について文書が配布されました。 その内容は、業務上災害が発生しても労働基準監督署に報告を行わなかったり、虚偽の報告をして送検された件数が10年間で倍増しており、平成13年度の重点施策としてこれらの問題を徹底指導するとのことです。

 「労災かくし」業務中に発生した「けが」を労働基準監督署に届け出をしないで、健康保険を使用したり、会社が補償して済ませてしまうことですが、これは特に建設業に多く見られる労災事故を起こすと元請けから仕事がもらえなくなることや、労働基準監督署から調査をうける等の心配から行われることですが、業務上の災害を報告しても、事業主に重大な過失がない限り罰せられたり、元請から仕事がもらえなくことはありません。
 それよりも「労災かくし」によって送検されたり、新聞に載ったりすれば、それこそ大変なことになります。

 先月、東信地方に於いて建設現場で従業員が左手親指を骨折した事故を労働基準監督署に報告しなかったため書類送検され、信濃毎日新聞に載ってしまいました。指の骨折程度の怪我でもこのようなことがあります。
 このような事になれば、それこそ会社の存亡の危機になりかねません。
 業務上の事故を未然に防止する事が大切ですが、起きてしまった事故は素直に報告し、同じ事故を繰り返さない事が寛容です。


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