他人事でない痴呆の話
執筆者:司法書士 大出繁 この資料全部お読みいただいて約25秒です。
 
 ほんとにある話。
 とあるご老人が痴呆になって数年経過。面倒はご多分に漏れず長男の奥様が診ていました。身体的負担も然る事ながら、経済的にもかなりキツイ。そこで、ご老人名義の更地を売却することに…。そのお金で介護費用やご老人の部屋の改装をするそうです。買主も決まりお金のやり取りをするから、立ち会って、との依頼。
 でも、残念ながら私は取引の中止を勧告せざるを得ませんでした。つまり今回の売買は成立していないのです。持ち主(ご老人)がご自身の本意で売却するといわない以上、ダメ。では、どうするか?家庭裁判所に後見人(補佐人)を選任してもらうのです。
 そこの貴方。他人事と思っていませんか。そんな事はありませんよ。もうすぐ貴方自身のこと。ご両親や親戚の中のこと。
じゃあ、具体的にどうするかって?転ばぬ先の成年後見の話はまた次回(^^)
 えっ?ご老人の件はどうなったかって?家庭裁判所で後見人が選任されると、その後見人と買主の間で有効な売買契約を締結することになります。もう少し早くアルベフに相談していたら無駄な時間を掛けずに済みましたね。


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